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ハンナ・アーレント [映画]

ずっと観たいと思っていましたが、もうモーニングショーでしかやっていないの。
がんばって10時にガーデンシネマへ行きました。ふう。正月3日から、走った走った。

ナチス戦犯アイヒマンを捕らえる場面からはじまる。
アイヒマンの話は以前関芸で上演した芝居のときに、色々勉強したのでした。
そんなこともあって、わあ観てみたいと思ったのだった。

ハンナ・アーレントは戦後、アメリカの大学で哲学教授となり、夫とともに暮らしている。
雑誌「ニューヨーカー」の依頼により、アイヒマン逮捕後の裁判のレポート記事を書くことになり、
エルサレムへ飛ぶ。
裁判を受けるアイヒマンを、「平凡な人物」「役人」と評した記事を発表したところ、
ユダヤ人同胞から激しく非難され、ナチ擁護と受け取られ、友人すらアーレントを拒絶してしまう。
ユダヤ人虐殺を行った、最重要犯人が平凡な人物だなんてとんでもないのだ。
それは身の毛のよだつような恐ろしい悪魔であるべきなのだ。
そうであることを、アーレント自身も望んだくらいだったであろう。
アイヒマンひとりが罪を受ければよいのであれば。

この映画が今注目されている理由のひとつに、このアーレントが評したアイヒマン像にあるように思う。
凡庸な人間が起こす悪ということ。
20世紀最大の犯罪ともいわれるナチの大量虐殺が、
ひとりの平凡な人間が思考不能だったことによって止められなかったこと。
もしかして今同じことがここで起ころうとしているのかもしれない、という恐怖を私も感じるのだった。
もしかして私たちはアイヒマンになろうとしているのではないのか?
という、気分が、あるんだと思う。

でまあ、正月3日の朝っぱらから、ガーデンシネマ満席でしたよ。
正月だからかな。まだもう少しやっているようだから、午前中にお時間ある方はみてみてみて。

で、アーレントの生活もなんだか素敵でしたけど。
四六時中煙草を吸っていらっしゃいましたな。実際にあんなヘビースモーカーだったかどうか知りませんが、
あれは多分「思索」とか「思考」ということを表現する手段だったようにも思います。
そう、これ哲学がテーマの映画なんですよ。すごいね。
ところでですね、
ハイデッガーの愛弟子であり、かつ恋愛関係にもあったらしき回想シーンがある。
夫に愛人がいて、お互いに分かってるふうでもある。
アーレントもなんとなく別の恋人がいるっぽい。学生時代からの旧友も男だし、これともなんかあるっぽい。
作家の友人メアリーが夫と別れたいという話をしているシーンが最初のほうにある。
メアリーももちろん夫以外の恋人をもっている。
なんですかね、これ。

アーレントの「思考」とともに「孤独」も、煙草が描いているような気がする。
え、煙草が? いや、たぶん。

アイヒマンの記事発表後に、アーレントはどんどん孤独になっていく。
ユダヤ人コミュニティからも、大学からも退職を命じられたりする。
夫は優しいが彼女の思想に真っ向からぶつかることはそもそもない。
夫の愛人までもがアーレントに同情するシーンがあるのだけど、夫のほうが全然分かってないのだ。
アーレントを実際に支えたのは女たちだけみたいに見えた。
女たちとは、助手のロッテと、友人メアリーである。
なんかこの、ベタベタしてない女の友情って感じが良かったわ。
孤立していく辛い状況の中で、なぜか夫に全然甘えないアーレント。
ロッテの前で初めて、泣いてしまうシーンが印象的だったな。
慰めのことばをかけるでもなく、ロッテはそのまま見ているの。
ベタベタしてなくていいわー。

なんかよくまとまんないわ。いろいろ思ったのだよ。
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明彦

確か初めてお邪魔します。『櫻姫』打ち上げでは失礼しました。
この映画については「いや、やっぱりアイヒマンはしたたかで狡猾で法廷ではシラを切っていた。『凡庸』は演技」といった声も、雑誌でぼちぼち見ました。
また、これはネットの一般人ですが「被害者が傷付くことに無頓着過ぎる」という意見も。
「敵=理解不能=自分とは違う」と思いたい人は、やはり多いのでしょうね。
そう思えば楽になるのかもしれせんし。

ところでロッテ役ユリア・イェンチ主演の『白バラの祈り―ゾフィー・ショル最後の日々』は、ご覧になれそうですか?
まだでしたら、取り敢えず検索すると出て来る予告編を是非。
by 明彦 (2014-03-02 00:40) 

m10

明彦さま
コメントを頂いていたことに今頃気づきましてごめんなさい!!!! いやはや、どうも、その節は、ありがとうございました~~~!!
白バラの祈り、まだ観てないんです~~
少し、落ち着いたので、また時間見っけて観てみたいです!!

by m10 (2014-04-14 17:06) 

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